6月16日19:00~、レポーターが向かった先は、東京カテドラル聖マリア大聖堂。お目当ては、ヴォーカル・アンサンブル 『カペラ』の公演!
リハーサル中...典礼劇の立ち位置の確認中です。
これが楽譜なんですよ!
譜面台はただひとつ。メンバー全員が同じ楽譜を見て歌います。
会場になった東京カテドラル聖マリア大聖堂は、目白通り沿いに立つ近代的な外観がひときわ目を引く建物です。東京に暮らす人々のうち、このカテドラルを訪れたことがある方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。何を隠そう、筆者は東京暮らし6年目にして初めてその存在を知り内部に潜入、ただただ驚くばかりでした。「ここは本当にニッポン?!」
東京カテドラル聖マリア大聖堂、一度は訪れておいたほうがいい物件ですよ!(←なんか業者さんみたいですが)
開演1時間ほど前には、早めに来られたお客様たちが、やはり聖堂の写真を撮っておられました。(NHKの取材も入っていましたよ!)
開演間近、聖堂の入り口から見た空。
(休憩中、楽譜は客席側に向けられていました。)
演奏会は、カペラの音楽監督・花井哲郎さんによるお話から始まり、「合間の拍手はしないでください」というお願いがありました。なぜならこれは、礼拝の雰囲気を大切にするため。
花井さん : ミサに参列しているような気持ちで聴いていただけたらありがたいです。
そう、聖歌はもともと教会で奏でられてきた音楽。それを今日、このような聖堂で演奏するときもまた、ミサのための音楽だということを心に留めておく必要があるのですね。
この日のテーマは「ロザリオの祈り ~ルネサンス・モテットでたどる聖母の生涯」で、グレゴリオ聖歌などを中心に、福音書朗読も組み込まれ、聖書のストーリーをたどる形で進められました。後半には、キリストの復活を三人のマリアとともに描いた典礼劇も挿入され、舞台(祭壇)も大きな拡がりを見せました。
そうそう、「カペラ」が歌う歌は当然のことながらすべてア・カペラなんですよ!じゃあどうやって音をとるの?と思った方、メンバーは音叉を持っていて、歌う前に小さくそれを鳴らします。その音程を基に声を出しているのです♪
ア・カペラについての詳しい解説
ア・カペラ 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
残響なんと7秒(!)という、お風呂屋さんもビックリな大聖堂での演奏会。想像してみてください、この空間に響き重なる声の美しさを!
開始後まもなく、中世の教会に迷い込んだ異邦人のような気がしてきたレポーターE.M。前半の最後の曲「キリストの御降誕(クリスマス)」が歌われた頃にはもう、完全にトリップ。別世界へ飛んでました。
しかし夢のような時はやがて終わりを告げます。いつまでも浸っていたい気持ちを引きずりながら、レポーターは音楽監督・花井さんのもとへGO! 後片付けをされていた花井さんの背中には、まさに後光が差しているように見え、話しかけるのがためらわれるほどでした(マジです)。
E.M : 素晴らしかったです!私はピアノでフーガなどを弾くのですが、グレゴリオ聖歌を聴いて、フーガが元は声楽のために書かれたということがよく分かり、そのルーツをみた気がしました。
花井さん : その通りです。今回、中世の劇としては初めて寸劇を取り入れました。どうなることか、はらはらしましたが・・・。お客さんの反応を見ていると、手ごたえはあったと思います。
こういう場所で、こういう雰囲気だから、それを崩さないように。お客さんに「聴かせる」というより、奥にあるものを、場所と内容にふさわしいものを出すように心がけました。もともと演奏会として「聴かせる」要素はなく、純粋にシンフォニーやオペラといった音楽とは違います。聴く方にもそういう気持ちで聴いていただきたいのです。
E.M : この場所はとても良かったと思います!私はミサに何度か参列したことがありますが、今日はミサで歌われている賛美歌のものすごいバージョンが聴けたなあ、と。昔の人はこんな素晴らしい音楽が教会で聴けたんですね!
花井さん : 昔も音楽を聴けるのは貴族や一部の裕福な人だけでした。教会内のチャペルなどで行われていたコンサートは、お金を出した人だけが聴けるものでしたが、それこそ通りがかった乞食でも聴けたのですよ。
E.M : そうなんですか!(いいなあ・・・) 今日はありがとうございました!
楽屋へと戻る花井さん。
やっぱり後光が・・・
感動という言葉では表せないくらい深い音楽体験をしたとき、そのままひとり余韻に浸りながら帰路につくのが常なのですが、お腹が空いていたレポーターE.M、「今日はバ・ロック サラダだよ!」というプロデューサーの言葉に釣られて、また打ち上げに参加してしまいました・・・。(結局食べてばっか)
その「バ・ロック サラダ」とは・・・コレ! ↓↓↓
音楽祭協賛店の「このはなざくら」さんの作る家庭料理で、「バ・ロック サラダごはん」という、こだわりの定食。
食事をしながら花井さんにまたお話を伺ったのですが、花井さんは学生時代、ヴィオラやピアノを演奏されていたそうです。当時はロマン派音楽が好きで、メンデルスゾーンのピアノトリオを演奏した時はピアノを担当されたそうですよ!やっぱり奥が深い!!
こちらはアンケート用紙の裏に描かれた一筆描きのイラスト。
摩訶不思議な絵に、一同騒然! 「全員いるよ!!」 と花井さん。
お客様で画家の高橋美紀さんによる「カペラ」一筆描きです。「スキャンしてカペラのホームページに載せたいですねぇっ!」とはカペラの事務局長。掲載される日も近いかもしれません。
そうそう、「カペラ」が出演したこの演奏会のテレビ放映は、7月2日の夜、NHK教育「芸術劇場」の番組内らしいです。要チェック!
(E.M)