4日・日曜日の昼下がりに行われたのは、グナール・レツボールさんがひとりで奮闘する「究極のシャコンヌ」コンサート。ヴァイオリンひとつで、語るように音楽を奏でていくというプログラムです。明日館講堂の周囲は緑にあふれており、音楽があいまって、その空間は究極のロハス状態だったかもしれません。
レツボールさんは、このホールの特性を考え、ステージではなく客席と同じフロアでの演奏を選択しました。リハーサル時に、演奏する曲をひとつ、またひとつと弾いていき、温度や湿度に楽器を慣らしていくという作業を淡々と続けていきます。このあたり、手作業の職人さんを連想させる風景です。
開演前ですが、楽器がそのまま置いてあるという風景は、とても奇妙なもののように思えます。しかしこれは、楽器を講堂内の湿度などにフィットさせるための方法。
で、休憩時間中には、当然ながらこういうことになります。
そして、レツボールさんが登場し、至福の静寂に浮き上がるヴァイオリンの音を楽しむ時間へ。
休憩時間中は、ここでもまたガーデン・パーティ状態に。雨が降らなくてよかったです。ちなみに手前で談笑しているのは、3日のコンサートでレツボールさんと共演したダルカディアのメンバー。
後半はJ.S.バッハの「パルティータ第2番」が演奏されましたが、「シャコンヌ」が演奏されているとき、むかいの明日館(本館)では結婚披露宴が行われており、花婿・花嫁の登場に拍手と歓声があがっておりました。もしかするとその声は、演奏中の講堂内にも響いていたかもしれませんが、それもまたこの会場で音楽を楽しむということの、ひとつの「あり方」みたいなものかもしれません。歓声や外の音が気になったという方がいらっしゃいましたら、ご容赦くださいませ。
レツボールさん「再訪熱望」の声が多かったです。